チャン・グンソク、“ソロ歌手の第一幕”ラストステージ ファンと歩んだ記憶を辿った『Nevertheless』を観て

チャン・グンソクが4月22日と23日、千葉・幕張イベントホールにて、ソロコンサート『2025 JANG KEUN SUK SPECIAL LIVE [Nevertheless]』を開催した。4月9日に、チャン・グンソク名義では約2年ぶりとなるシングル『Curtain Call』をリリースしている彼。およそ1年半ぶりとなった今回のコンサートは、彼のこれまでのキャリアとファンとの間に作ってきた数々の思い出を振り返りながら、チャン・グンソクの歌声をたっぷりと堪能できる時間となった。本稿ではコンサート最終日、23日の模様をレポートする。
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幕開けはバンド演奏から。雄大で美しい海の映像とともに、しっとりと流れるようなピアノの音やエレキギターの音が響くと、少し高いところに設置された特別ステージの上に、黒いジャケットとジーンズに身を包んだチャン・グンソクが姿を現す。観客から大きな拍手が沸き起こり、1曲目に「Let me cry」を披露した。疾走感あるロックサウンドの中に響くチャン・グンソクの低い歌声は、切なげながらも情熱的で、会場に駆けつけたファンの心を掴んでいく。
![『2025 JANG KEUN SUK SPECIAL LIVE [Nevertheless]』 (C)FRAU INTERNATIONAL](/wp-content/uploads/2025/04/20250501-jks-01.jpeg)
歌が終わると、「こんな早い時間から幕張まで来てくれてありがとうございます」とファンに挨拶。ソロとして1年半ぶりに開催したライブへの喜びや思いを語った。彼は「もっと正直な姿を見せて、皆さんとの思い出を思い出すために、いろんなセットリストを準備したから、最後まで楽しんでください」「(コンサートを通じて)希望というポジティブなメッセージをあげたかったです」「僕らの歴史みたいなライブのスタートです、始めましょう」と語り、2曲目へ。
2011年にリリースした「Bye Bye Bye」を披露すると、観客からは自然と手拍子が上がり始める。サビでは観客に歌唱を求めながら叙情的な歌詞を歌い上げ、そのまま途切れることなく「Turn off」をパフォーマンス。アコースティックギターの爽やかなサウンドが印象的な同楽曲では、会場全体を見渡しながら伸びやかな歌声を響かせ、大勢の観客を魅了した。
![『2025 JANG KEUN SUK SPECIAL LIVE [Nevertheless]』 (C)FRAU INTERNATIONAL](/wp-content/uploads/2025/04/20250501-jks-02.jpeg)
続くMCでは、チャン・グンソクが観客の笑いを誘うシーンも。彼は「Bye Bye Bye」を歌っている最中、若い頃の自分の姿を思い出していたのだという。チャン・グンソクは「人生でいつも自分が一番かっこいいんだと思っているんだけど」「(歌唱中)青春の頃を思い出しちゃった。長い髪の毛で、白いスーツで」「青春の頃を思い出していたら、満足しちゃって、歌詞を忘れちゃってた」とチャーミングな笑顔で語ると、会場は笑いの渦に包まれた。「空と君と」で美声を聴かせた後、「家に帰ろう」ではサビで観客と歌声を交わし合い、会場中にあたたかな歌声が響きわたっていく。
〈抱きしめたい いつでも/僕はキミの味方さ〉と聴き手をふわりと優しく包み込む歌詞が印象的なバラード「抱きしめたい」では、ファンが掲げる白いペンライトが星空のように美しく瞬く景色の中で、低音から高音までを自在に行き来する歌声を観客一人ひとりの心に届けていった。続けて、「君ならどんなふうに」をしっとりと歌い上げると、チャン・グンソクは一度舞台からはけ、バンドメンバーによる幕間の演奏が繰り広げられていく。
そして再び、赤いシャツと黒いパンツ姿に衣装チェンジしたチャン・グンソクが登場。軽やかにステップを踏んでいるようなサウンドが印象的な「Day by day」を観客に目配せしながら歌唱し、コンサートはいよいよ終盤へ。ジャジーなサウンドの「Chamomile」で大人の色香漂う歌声を響かせると、間奏ではコール&レスポンスを誘い、会場の熱量をさらに高めていった。
![『2025 JANG KEUN SUK SPECIAL LIVE [Nevertheless]』 (C)FRAU INTERNATIONAL](/wp-content/uploads/2025/04/20250501-jks-03.jpeg)
![『2025 JANG KEUN SUK SPECIAL LIVE [Nevertheless]』 (C)FRAU INTERNATIONAL](/wp-content/uploads/2025/04/20250501-jks-05.jpeg)
その後行われたMCでは、「Chamomile」や「Day by day」にまつわる思い出を振り返った。特に「Day by day」はコロナ禍の最中にリリースした楽曲ということもあり、しんみりと当時の思い出を語っていく。新型コロナウイルスによってしばらく公演ができなかった後に来日コンサートを開催した際のことに触れ、「すごく久しぶりに日本に来て、皆さんと久しぶりに会うんだという気持ちでしたけど、(さまざまな手続きや体調チェックなどで)空港から出口まで2時間くらいかかりました」と大変な状況にあったことを回想。また、コロナで活動ができなかった期間には、1人で「ファンの記憶からチャン・グンソクがいなくなってしまったらどうしよう」と不安に感じたこともあるそうで、「まだ僕のことを忘れないでいてくれる、不思議な世界に住んでいます」「ずっと僕のことを待ってくれた皆さんにこの席で話したいのは、いつもありがとうございます」とファンへの感謝の気持ちを言葉にした。
さらに、約2年後に40歳の誕生日を迎えることにも触れ、「本物の男の人生は40から始まるんだと思っていました」「40歳からは自分の人生に絶対責任があるし、家族や隣の人を全部守らなければならない年齢」「そういう40歳が近づいています」と、持論とともに40歳に向けた決意をのぞかせた。
![『2025 JANG KEUN SUK SPECIAL LIVE [Nevertheless]』 (C)FRAU INTERNATIONAL](/wp-content/uploads/2025/04/20250501-jks-04.jpeg)
「いきましょう!」という掛け声から、ポジティブなロックサウンドの「Movie Star」を披露。そのまま「Goes on」を駆け抜けるように歌うと、「1、2、3、4!」と力強く叫び、「Shock」で会場を一気にロックな色に染め上げ、盛り上がりは最高潮に。一人ひとりの人生に特別な意味があるということを歌った「Beautiful」を情熱的に歌い上げ、本編ラストのMCへ。