『チェイサーゲームW2』はなぜ世界で愛される? いつ×ふゆが言語や文化を超えて示す勇気

『チェイサーゲーム』が国外でも愛される理由

 菅井友香と中村ゆりかがW主演を務める『チェイサーゲームW2 美しき天女たち』(テレビ東京ほか)のBlu-ray&DVD-BOXが3月12日に発売された。

 本作は、2024年1月より放送されていた『チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ』(テレビ東京系)のシーズン2として2024年9月19日にスタートした続編。“レズビアン”を主役にしたテレ東ドラマでは初となる作品で、実際にレズビアンの監修のもと脚本を一から制作。「LGBTQ」をはじめとする社会課題にも鋭く切り込んだ作風が高く評価されている。LGBTQコンテンツ専門の配信プラットフォーム「GagaOOLala」では、GL/LESBIANジャンルにおいて全世界1位を記録した(※1)。

 特に菅井演じる春本樹と中村演じる林冬雨の2人は“いつふゆ”の愛称でファンから親しまれ、そのムーブメントは海外まで波及。公式SNSは、日本語だけでなく中国語や韓国語、英語など、国内外のファンのコメントで溢れている。菅井と中村がそれぞれ中華圏でファンイベントを開催しているのは、『チェイサーゲームW』の影響が大きいことは間違いないだろう。

 ドラマの副題が示しているように、“復讐愛憎劇”としての側面が強かったシーズン1に対して、シーズン2では樹の初恋相手であり憧れの人でもあるパク・ヨルム(ちせ)の登場によって、樹と冬雨が互いの気持ちをもう一度確かめ合う第5話までの展開と、同性カップルとして声を上げることで運命を変えていこうとする第8話(最終話)までの展開の大きく2つの流れに分けられる。

 シーズン2オンエア前のタイミングで行われた菅井と中村へのインタビューで、筆者の「シーズン1でお2人が好きなシーン」という質問に、2人はカフェ「Mellow Cafe」でのシーンを挙げていた。取材時、すでにシーズン2の撮影はオールアップ。それからシーズン2のオンエアが始まり、筆者は「なるほど……」と2人の答えの真意が透けて見えた気がした。シーズン2で樹はカフェの店長となり、そこで冬雨と再会を果たす。再びカフェの2階が2人の場所となっていたからだ。後に現れるヨルムによって、そのテリトリーが侵されることも、逆説的に2人の聖域であることを強調しているようにも思える(※2)。

菅井友香×中村ゆりか、“いつふゆ”として生きた時間 『チェイサーゲームW』の反響に感動

菅井友香と中村ゆりかをW主演に迎え、元恋人同士の上司と部下が繰り広げる“復讐愛憎劇”を描いた『チェイサーゲームW パワハラ上司は…

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