G-DRAGONの新プロジェクトから済州島ブームまでーー韓国トレンドレポート 2025年5月号

 K-POPや韓国ドラマにとどまらず、2025年の韓国カルチャーはアート、ファッション、フード、ストリートまで多彩な分野を横断し、グローバルでの存在感をさらに強めている。この連載では音楽・ファッション・食が交差する“いま”の韓国を毎月スナップしていく。

 4月の話題を追いかけた5月号では、漢江に出現したHermèsのビーチランウェイショーを皮切りに、Coldplayの韓国6公演で見せたJINやROSÉとの圧巻の共演、SEVENTEENやaespaらが参加したG-DRAGONの音楽プロジェクト「GOOD DAY 2025」、ドラマ『おつかれさま』(Netflix)が巻き起こした済州島ブーム、そして2NE1とfragment designの初タッグによるストリートコレクションまで。2025年春の韓国カルチャーを象徴する、話題のトピックを一挙に紹介する。

Hermès2025年夏コレクション、ソウルで豪華ランウェイ

 
 
 
 
 
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 Hermèsが、ソウル中心部を流れる漢江沿いの蚕室漢江公園にランウェイを出現させた。4月3日に開催された2025年春夏メンズサマーコレクションのリピートショーは、パリでのショーコレクションの後、世界でただ一都市のみで開かれる特別なイベントであり、ソウルでの開催は今回が3度目。これまでで最大規模かつ異例の演出で注目を集めた。

 今回のショーは「Hermès Boardwalk」というコンセプトのもと、ウッドデッキのランウェイと、水面を模したスクリーン、夕暮れの光が溶け込む会場空間が一体となり、都市の真ん中に“ビーチリゾート”のような非日常を演出した。ランウェイにはモデルだけでなく、韓国の各界を代表する著名人10名がサプライズ出演したことも話題に。『パリ2024夏季オリンピック』フェンシング金メダリストのオ・サンウク、「Ditto」(NewJeans)などのMVで知られる映像監督 シン・ウソク、『パチンコ』(Apple TV+)にも出演した俳優 ノ・サンヒョン、ラッパーのBeenzino、モデル出身の俳優 チャ・スンウォン、『イカゲーム』(Netflix)で国際的に知られるようになった俳優 ウィ・ハジュンらが登場した。また、日本でもファンの多いアーティスト、CNBLUEのジョン・ヨンファや、歌手 パク・ヒョシン、陸上選手のウ・サンヒョクなど、普段は一堂に会することのない多彩な面々がランウェイに姿を見せ、会場を大いに沸かせた。

 さらに今回のショーのために、現代のソウルのライフスタイルに溶け込ませた、アーティスティックディレクターのヴェロニク・ニシャニアンによる9ルックの“ソウル・エディション・エクスクルーシブ”も発表された。

Coldplay、6回の韓国ライブでK-POPとの共演を連発

 
 
 
 
 
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 Coldplayがワールドツアーの韓国公演を、4月に高陽総合運動場メインスタジアムで2週間、全6公演にわたって開催。累計約30万人を動員し、「海外アーティストによる最多観客・最長日程・最高収益」という前人未到の記録を打ち立てた。

 さらに、各公演で豪華なサプライズゲストが連日登場し、ファンの熱狂を巻き起こした。全6公演に出演したのは、TWICE。彼女たちはヒット曲に加え、うち2日間はサプライズで「WE PRAY (TWICE Version)」を披露した(楽曲は4月18日に正式リリース)。さらに4月19日の公演には、BTSのJINが登場。「The Astronaut」「My Universe」をColdplayとともに熱唱し、会場は歓喜の声に包まれた。そして4月22日にはBLACKPINKのROSÉがサプライズでステージに登場。「APT.」を、Coldplayの演奏に乗せてクリス・マーティンとデュエット。まさに“今しか観られない瞬間”が演出された。Coldplayの韓国公演は、2025年4月、まさに音楽ファンの間で中心的トピックとなった。

G-DRAGONの「GOOD DAY 2025」、80年代名曲をリメイク

SUB 🎼굿데이 2025 (텔레파시 + 달빛 창가에서) MV

 BIGBANGのG-DRAGONがプロデューサーを務め、K-POPトップアーティストたちが参加する音楽プロジェクト「GOOD DAY 2025」が発表された。バラエティ番組『Good Day』(MBC)内で制作の裏側が描かれ、4月24日には楽曲のシングルが全世界同時リリースされた。

 参加アーティストの顔ぶれがとにかく豪華だ。BIGBANGのSOLとD-LITE、2NE1のCL、aespa、SEVENTEENのユニット・BSS、DAY6のメンバーが集結。さらに、俳優のキム・ゴウン、ファン・ジョンミン、モデルのイ・スヒョク、漫画家のキアン84、そして『白と黒のスプーン ~料理階級戦争〜』(Netflix)で知られる料理家 アン・ソンジェらが加わり、世代とジャンルを超えた“オールスター”編成に。まさに2025年現在の韓国大衆文化を牽引する面々が勢揃いした形。

 楽曲は、1980年代にヒットしたグループ・都市アイドル(City Kids)の楽曲「텔레파시」と「달빛 창가에서」を再解釈し、ひとつに融合したリメイクソング。MVは当時の音楽番組を彷彿とさせるレトロな世界観で撮影され、世代をつなぐ試みとしても注目を集めた。音源の収益は、恵まれない子どもや青少年、社会的弱者の“グッドデー”のために、全額寄付される予定だ。

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