『ガンニバル』完結直前で複数勢力がぶつかり合う混戦へ 供花村に根深く染み込んだ“呪い”

さて、大悟と共に祭壇のある洞窟にたどり着き、ましろの傍にいる“あの人”=父である白銀へ銃を向ける恵介。娘を救うためなら一寸たりとも躊躇しない大悟に対し、恵介は銀(倍賞美津子・恒松祐里)の幻影に襲われることとなる。足もとから手がぐんと伸び、彼が銀の魔性に洗脳されきっていることを示すこの一連は、実に気味が悪い。なんとか大悟の一声で我に返り、白銀の頭を撃ち抜く恵介。駆け込んできた後藤家の男たちに銃を向けられる恵介だが、その間に割って入るのは、撃たれてもなお息絶えることのない“現人神”たる白銀(しろがね)に他ならない。
子である恵介から父・白銀に向けられた一方的な畏怖の念と思われていたこの両者の関係に、当然のように父から子に向けられる愛情のような何かも介在している。それが見えるだけで、不思議と“あの人”の見え方すらも変わってくる。しかもその直前に大悟が回想する、ましろが生まれた時の記憶。そのなかで有希は“真っ白な心で純粋に強く生きてくれますように”と願い、ましろを名付けたと語っている。第5話で若き日の正宗(倉悠貴)が銀に話す、“白銀”という名の由来もまた、“白く汚れのない世界を力強く生きてほしい”というものであった。白銀とましろ、このドラマにおいて完全に両極の位置にある二人は、どこか深いところで通じているのかもしれない。
■配信情報
『ガンニバル』シーズン2
ディズニープラス スターにて独占配信中
出演:柳楽優弥、笠松将、吉岡里帆、高杉真宙、北香那、杉田雷麟、山下リオ、田中俊介、志水心音、吉原光夫、中島歩、岩瀬亮、松浦祐也、永田崇人、ジン・デヨン、六角精児、恒松祐里、倉悠貴、福島リラ、谷中敦、テイ龍進、豊原功補、矢柴俊博、河井青葉、赤堀雅秋、二階堂智、大鷹明良、利重剛、中村梅雀、橋爪功、倍賞美津子
原作:『ガンニバル』二宮正明(日本文芸社刊)
監督:片山慎三、佐野隆英、大庭功睦
脚本:大江崇允、廣原暁
プロデューサー:山本晃久、半田健
アソシエイトプロデューサー:山本礼二
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