中山ひなのが俳優として成長を感じる瞬間とは? 「一つひとつ目標を達成していきたい」

野村康太が主演を務める映画『6人ぼっち』が5月2日より公開された。学校にひとりも友達がいない“ぼっち”の高校生・加山糸(野村康太)は、修学旅行の班決めで、どこのグループにも入ることができず、強制的に同じ“ぼっち”の5人と班を組まされる。修学旅行当日。さまざまな場所をめぐるうちに仲間意識が芽生える6人だったが、大きな出来事が巻き起こって……。
今回は、6人の“ぼっち”のなかでも、ネガティブで気の弱い山田ちえを演じる中山ひなのにインタビューを行った。本作のことはもちろん、20歳の彼女にスポットを当て、俳優になったきっかけや活動に対する思いも聞いた。(浜瀬将樹)【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
『6人ぼっち』で感じた“出会い”の大切さ

ーーこの物語の世界に飛び込んでみて、どんなことを感じましたか?
中山ひなの(以下、中山)こうした学生ものの作品って、「キラキラしたシーンを切り取る」という認識が強かったんですが、“ぼっち”に焦点を当てて物語を築いていくって新しい切り口ですし、脚本を読んでいても面白かったです。
ーー中山さんが演じた山田ちえは、どんなキャラクターなのでしょうか?
中山:たとえば、夢を持ったときに「私なんかがなれるわけない」と思ったり、発言するときも「私なんかがこういうことを言うべきではない」と思ったり、自分に対しての否定がすごく強い子です。自分で可能性を止めて、一歩下がっちゃうところがあるなと思います。

ーー中山さんとしても、もどかしくなる瞬間があったのでは?
中山:修学旅行のとき、ちえちゃんも頑張って一歩踏み出すのに、やっぱり下がっちゃう……みたいなシーンがあって。そこがもどかしくもあり、かわいらしくも感じた場面でしたね(笑)。
ーーちえを演じながら「じつはこんな子なのではないか」と印象が変わったところはございますか?
中山:ネガティブで大人しいだけでなく、意外とかわいらしくて柔らかい部分もあるなと思いました。演じるときも、声のトーンや語尾の柔らかさに気をつけながら演じました。

ーー修学旅行に行ってから感じた彼女の「変化」があれば教えてください。
中山:お花にお水をあげる最初のシーンでは、ひとりでいても幸せだったのに、修学旅行を経験すると「みんなといるときも幸せ」という感情が生まれたんです。そこが、ちえちゃんにとっての成長なのかなと思いました。演じていても、心のなかだけだった幸せが、どんどん外側に向いているなと感じました。
ーー5人との修学旅行は、彼女にとっていい影響となったわけですね。
中山:最初のころは「どうせ仲良くなれるはずがない」「こんな陽キャの人たちとうまくいくわけがない」と思っていたと思うんですけど、接していくと、みんな自分にはない“いいところ”を持っているから、どんどん引き出されるし、そのおかげで自分からも声をかけたり、本当に半歩ですけど、積極的に動いてみたりするシーンもあって、成長してるなと思いました。

ーーそんな6人の関係性について、どんなことを感じましたか?
中山:バラバラだけど、意外と相性がいいのかも、と思いました。似たもの同士だと、自分と重なる分、嫌な部分が見えちゃうと思うんですけど、それぞれ違うからこそ、お互いのいいところが見えるなと思いました。
ーーご自身で好きなシーンを教えてください。
中山:予告にある橋のシーンが大好きです。バラバラだった6人がそろって走るシーンがなんとも青春すぎて……。あそこは予告で観たとき「うわ、キラキラまぶしい!」と思いました(笑)。
ーーじつはみんなキラキラしているんですよね。完成作をご覧になって感じたこと、影響を受けたことを教えてください。
中山:それこそ、キラキラした人たちを切り取っていないはずなのに、みんなキラキラしていて、心から素敵だなと思いました。ふだんでも、第一印象で「この人は合わないかも」と思うことってあるじゃないですか。でも、その人を知れば知るほど、意外と気が合うこともある。そういった出会いを大事にしたいなと思いました。

ーー中山さん自身のことも教えてください。学生時代どんな生徒だったんですか?
中山:小中は割とガツガツしていて、応援団に入ったり、学級委員長になったりしたんですけど、高校に入ると、いわゆるギャルとか一軍女子の圧に負けて(笑)、ガツガツしなくなりました。ちゃんと提出物は出す、宿題もする……と、真面目で校則を守る生徒でした(笑)。

ーー修学旅行の思い出は?
中山:高校のころの修学旅行がちょうどコロナ禍で、本当はシンガポールに行くはずだったのが東京になり、最終的に大分になりました。私、佐賀県出身で同じ九州地方への旅行にはなったのですが、水族館は楽しかったし、温泉につかれてうれしかったし、遊園地では、土砂降りの雨でびしょ濡れになりながらも“友達とはしゃぎ回れて青春だったな”と思います。