吉田美月喜が海外映画初出演　『KARATEKA』で空手の日本人世界チャンピオン役に

　スペインで2026年公開予定の映画『KARATEKA』で、吉田美月喜が海外映画初出演を果たすことがわかった。

　本作は、2019年制作の映画『列車旅行のすすめ』でゴヤ賞の新人監督賞にノミネートされ、同作で東京国際映画祭のコンペティション部門にも招待されたアリッツ・モレノ監督の長編3作目。

　スペインの大手メディアグループATRESMEDIAの映画部門として設立されたアトレスメディア・シネ（ATRESMEDIA CINE）のほか、Sr.&Sra.、Karateka A.I.E、アパッチーズ・エンターテインメント、Colosé Produccionesが製作を行い、Wrong Menとの共同制作となる。アトレスメディアとNetflixが参加し、マドリード市、Creative Europe MEDIA、Wallimage （ワロン地域）、スペイン政府ICAAの支援を受けている。スペインでの配給はワーナー・ブラザース・ピクチャーズが行う。撮影はスペインと日本の静岡県富士宮市、鳥取県にて行われた。

　東京オリンピックの空手女子形でスペイン代表として出場し、金メダルを獲得したサンドラ・サンチェスを主人公に、サンチェスが若い頃に空手のスペイン代表チームを離れたあと、数々の苦難を乗り越えて、40歳になる直前に東京オリンピックで金メダリストとなるまでの半生を描く。サンドラ・サンチェス役を『無人島につれていくなら誰にする？』に出演したスペインの女優アンドレア・ロスが演じ、サンドラの空手のコーチのヘスス・デル・モラル役を『レッド・バージン』で知られるパトリック・クリアドが演じる。

　そして、サンドラ・サンチェスのライバルである空手の日本人世界女王役を吉田が演じることが決定。吉田は、日本で空手の稽古を積んだ後、全編スペインにて撮影に臨んだ。劇中では英語でのセリフにも初挑戦。吉田は、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』に出演しているほか、『あつい胸さわぎ』や『カムイのうた』では主演を務め、さらに劇場アニメ『ルックバック』では初となる声の演技にも挑戦した。

　吉田が演じるのは、空手の形競技で活躍する日本のチャンピオン。サンチェスと何度も対戦するうちに、ライバルでありながらも畳の上に立つ重みを分かち合える存在として、サンドラに深い共感を抱くようになる。

　本作への出演に際して吉田は、「出演が決まった時、本当に驚きましたし、同時に私に務まるのかと大きな不安も感じました」と当時の心境を明かした。また、モレノ監督は、「映画『ルックバック』は、映画館でだけでも3回観ました」と語り、「難しい役柄を、声だけで表現しきった吉田さん。『吉田さんならどんな役でも演じられる方に違いない』と強く感じ、今回の起用を考えるきっかけになりました」と、吉田の起用を振り返った。

コメント

吉田美月喜（空手の日本人世界女王役）

『KARATEKA』に出演が決まった時、本当に驚きましたし、同時に私に務まるのかと大きな不安も感じました。しかし、初めてアリッツ監督にお会いした時に「吉田さんは日本との架け橋のような存在になる」と言ってくださったのが、とても嬉しかったのを覚えています。
今回初めて空手を練習させて頂いたのですが「礼儀・作法」の武道に通じる心も知ることができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
リハーサルと撮影を合わせて、1カ月以上もスペインに滞在させて頂きました。撮影では実際にサンドラさんが型を披露して下さったのですが、鳥肌が止まらず、思わず魅入ってしまいました。それと同時に、監督がこの型に惚れて映画を作ろうと思った理由がわかったような気がしました。
スペインの映画チームに参加できたこと、そして空手の素晴らしさを知れたこと。本当に沢山の人生の経験をさせていただきました。映画『KARATEKA』が世界と日本の架け橋となる作品になることを願っています。

アリッツ・モレノ（監督）

吉田美月喜さんがW主演を務めた、映画『ルックバック』は、映画館でだけでも3回観ました。何度観ても、感情を大きく揺さぶられる作品でした。
そんな難しい役柄を、声だけで表現しきった吉田さん。「吉田さんならどんな役でも演じられる方に違いない」と強く感じ、今回の起用を考えるきっかけになりました。
また、台本をお渡しした際には、吉田さんご本人はもちろん、チームの皆さんもストーリーへの深い理解を示してくださり、私の意図を的確に汲み取ってくださったことも、起用を後押しする大きな理由となりました。

■公開情報
『KARATEKA』
2026年スペイン公開予定
出演：アンドレア・ロス、パトリック・クリアド、吉田美月喜
監督：アリッツ・モレノ
脚本：David B. Gil、Pablo Tobias
製作：アトレスメディア・シネ（ATRESMEDIA CINE）、Sr.&Sra.、Karateka A.I.E、アパッチーズ・エンターテインメント、Colosé Producciones
スペイン配給会社：ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ（Warner Bros. Pictures）