RAISE A SUILEN Raychell×夏芽×紡木吏佐 インタビュー 『バンドリ!』10周年を経て一層高まる活動への意欲

RAISE A SUILENが、6月11日に13枚目となるSingle『HOWLING AMBITION』をリリース。そして、6月14日には有明アリーナにて単独ライブ『REBEL SOUNDWAVE』を開催した。
同公演では新情報として、11月15日・16日に単独ライブ2DAYSの開催に加えて、12月7日にはトゲナシトゲアリとの対バンライブ『RAISE MY CATHARSIS』の開催を発表。『BanG Dream!』(『バンドリ!』)が10周年を迎える中、RAISE A SUILENの活動もより加速している。
リアルサウンドでは、Raychell(レイヤ役/Ba&Vo)、夏芽(マスキング役/Dr)、紡木吏佐(チュチュ役/DJ)にインタビュー。2024年に行ったアジアツアーやZeppツアーの手応え、最新作『HOWLING AMBITION』の制作を振り返りながら、『バンドリ!』におけるRAISE A SUILENの立ち位置の変化、後輩バンドへの想いなどについても話を聞いた。(編集部/取材は5月下旬)
『バンドリ!』10周年を迎えて「すべてのバンドに感謝しかない」(Raychell)

ーー2024年のRAISE A SUILEN(以下、RAS)は6月に2nd Album『SAVAGE』をリリースしたのを筆頭に、3月には初のアジアツアー、6月には東京ガーデンシアターでの2DAYS公演『RAISE A SUILEN LIVE 2024「ESSENTIALS」』、12月から今年1月にかけては全国Zeppツアーを開催するなど、非常に精力的に動いているように映ります。特に台北、上海でのアジアツアーは、かつて〈世界へと憑依する〉(「R·I·O·T」)、〈世界ごと丸呑みだ〉(「Domination to world」)と歌ってきたRASにとってようやく念願のひとつが叶ったのではないでしょうか。
Raychell:そうですね。アジアツアーは私たちにとってもすごくプラスになりましたし、『バンドリ!』プロジェクトとしてもアジアツアーは初めてのことだったので、そういう意味では私たちがデビュー時から言ってきた〈世界へと憑依する〉ってことを成し遂げられたのはすごく大きな一歩になったと思いました。海外のバンドリーマー(『バンドリ!』ファンの総称)の皆さんはライブ中の反応も日本の皆さんともまた違う熱さがあって、曲中ずっと一緒に歌ってくださったりと日本とは異なる一体感を得られたりもしましたし。そういう台北や上海での経験は、続く6月の東京ガーデンシアター公演にもしっかりつなげることができて、個人的にも嬉しかったです。
夏芽:もっと海外でやりたいっていう気持ちが強くなったよね。
Raychell:そうだね。特に私たちは2018年7月に結成して、これからだっていう2020年にコロナ禍になってしまったじゃないですか。ここ数年は悔しい思いもたくさんしてきたので、やっとここから世界に憑依していけるのかなって気持ちがより強まりましたね。
夏芽:「何年も待ってたんだよ! この瞬間を待ち望んでいたんだから、最高に楽しんでやる!」っていうお客さんの熱もライブ中に何度も感じましたし、人によってはRASのコスプレをしていたりと楽しみ方も日本とはまた違っていて、そこも興味深かったです。正直、初めての海外公演だったので「ライブでどんな反応が返ってくるんだろう?」とか「どのくらいの人が来るんだろう?」とか不安もあったんですけど、「これだけ待ってくれていた人がいるんだ」っていうこともわかりましたし、SNSでも「インドネシアに来てください」とか「ブラジルにも来てください、待ってます!」みたいな声をたくさんいただくので、今後は今回行けなかった場所にも積極的に行ってみたいなと思うようになりました。
紡木吏佐(以下、紡木):海外公演の場合、次いつ現地でライブができるかわからないっていう状況があるだけに、皆様の熱量がすごくて。悔いなき伝え方といいますか、ずっと「愛してる!」とストレートに伝えてくださって、魂を感じました。その後、6月の東京ガーデンシアターや年末年始のZeppツアーでは日本でもライブを開催させていただけて、いろんな国、環境で愛をたくさんいただき、幸せを噛み締めながら「人間っていいなぁ」と実感した1年でした。



ーー人気の高い曲に関して、日本と海外とで違いって感じましたか?
Raychell:反応的には「R·I·O·T」とか「UNSTOPPABLE」とか「EXPOSE ‘Burn out!!!’」といった初期曲だったり、YouTubeに映像が上がっている曲への反応が大きかった気がします。あと、私たちの最近の傾向として楽曲の中で踊ったりみんなで一緒に動きを合わせる部分があるんですけど、きっと初見だろうなっていう方もその場で踊ってくださったりとか、掛け声も一緒にしてくださっていたので、そういう意味では言葉の壁を超えて音楽を楽しめることってやっぱりいいなと思いました。
夏芽:「R·I·O·T」の合唱はすごかったよね。「ここは日本ですか?」ってぐらい、皆さん上手な日本語で歌ってくださって。あれはすごく嬉しかったです。
ーーこれも『バンドリ!』というプロジェクトがここまで人気を保ったまま続いているからこそ、実現できたことですものね。『バンドリ!』プロジェクトは今年で10周年を迎えましたが、この大きな節目に対して皆さんは今どんなことを感じていますか?
紡木:今このご時世、本当に魅力的なコンテンツが多い中、10周年を迎えられるって奇跡だと思います。今もなお新しいアニメが始まったり、リアルバンドもさらに生まれ続けているのは、変わらず応援してくださっているファンの皆様のおかげです。本当に幸せですし、ポピパ(Poppin'Party)さんから始まったこの『バンドリ!』を、これからも末長く大事にしていきたいです!
夏芽:そうだね。つい先日もポピパ(Poppin'Party)さんの10周年記念ライブがありましたけど、『バンドリ!』最初のバンドとして道を切り拓いていくことはすごく大変だっただろうなってことを実感した、10年の歴史がひしひしと伝わるライブでした。10年って節目ではあるけど、同時に新しいスタートだなとも思うんです。RASも今年8年目になりますけど、ずっとポピパさんの背中を追いかけ続けてここまできて、気づけばあと数年で私たちも10周年を迎える。そういう未来への希望を持たせてもらえる、すごく大きな節目だなと感じています。
Raychell:今もこうして『バンドリ!』プロジェクトが存在できているのは、愛美さんをはじめPoppin'Partyの皆さんがずっと先頭に立ち続けてくれていたからであって、そこに第2のバンドRoseliaさんが続き、私たちRASが第3のリアルバンドとして誕生することができた。そのほかにもAfterglowさん、パスパレ(Pastel*Palettes)さん、ハロハピ(ハロー、ハッピーワールド!)さんがいて、さらにモニカ(Morfonica)さん、MyGO!!!!!さん、Ave Mujicaさん、夢限大みゅーたいぷさんへとつながっているわけなので、ポピパさんはもちろん、すべてのバンドに感謝しかないですね。特に、私と夏芽はポピパさんの初武道館公演(2017年8月)を一緒に観に行っていて、そこでのちにメンバーとして加わる倉知玲鳳と初めて会ったんですよ。私は今回の10周年ライブは配信で観ていたんですけど、そういう当時のことを思い出したり初心に帰ることができたタイミングでもありました。そういう意味では、10周年って大きな節目でもあって、ここからまた頑張ろうという再スタート地点でもあるんでしょうね。