RAISE A SUILEN Raychell×夏芽×紡木吏佐 インタビュー 『バンドリ!』10周年を経て一層高まる活動への意欲

衝撃的な出会いから「よくここまでまとまったなって思う」(夏目)

ーーと同時に、RASもこの7月で8年目に突入。長きにわたり重ねてきたキャリアは、皆さんの人生にどんな影響を与えてきましたか?
Raychell:RAS以前の私はソロアーティストとして歌わせていただいていて、Raychellとしてソロで出たライブがブシロード10周年ライブ(2017年4月30日開催の『ミルキィホームズ&ブシロード10周年&スクフェス4周年記念ライブ in 横浜アリーナ』)でした。そのときは夏芽がドラムを叩いてくれて、サポートギターを大塚紗英ちゃんが担当してくれたんですけど、それを木谷さん(現・株式会社ブシロード代表取締役社長の木谷高明)が観てくださって。それをヒントに「第3のリアルバンドを作ろう」とRASの方向性を考えてくださったので、あのとき私がステージに立っていなかったら……。
紡木:本当にすごい! 改めて鳥肌が立った!
Raychell:あの頃の私は歌手デビューして7、8年という時期で、なかなか売れなくて今後の方針をどうしようかというタイミングだったんですけど、そこでミラ・ジョヴォヴィッチさんが出演する『カードファイト!! ヴァンガードG』のCMソングという大役をいただくことができて。それが「Are you ready to FIGHT」という、カッコいい女性が歌うロックナンバーだったんです。
夏芽:あの曲がなかったら私もRaychellと出会ってなかっただろうし、そう考えると「Are you ready to FIGHT」がRASへと導いてくれたのかもしれないですよね。『バンドリ!』って言ったらキラキラドキドキ、夢を撃ち抜くっていう大きなテーマがあると思うんですけど、私自身も『バンドリ!』に関わることでキラキラやドキドキをたくさん得ることができていて……本当ならみんなに与える側なんですけど、ここまでたくさんの夢を叶えさせてもらえました。例えば、大きな会場でライブをすることも夢だったし、RASとして活動が始まってから数カ月で武道館に立たせてもらえるなんて考えてもいなかったし、もともとアニメとか声優さんも好きだったので、いつか声優さんのバックで叩く形で関われたらいいなくらいに思っていたら、自分が声優をやらせてもらうことになるなんて。心の奥に眠っていた夢を次々に叶えることができて、本当にシンデレラストーリーですよね。それこそ最近、小学生の頃から大好きだったT.M.Revolutionさんと台湾のイベント(5月24日開催の『ANISAMA WORLD 2025 in TAOYUAN』)で初めて同じステージに立たせてもらえて、ここまで続けてきてよかったなと強く実感したばかりです。
紡木:もともとお芝居が大好きで高校生の頃からこのお仕事をさせていただいたのですが、なかなか芽が出なくて。でも、大学卒業間近でRASへの加入が決まって、そこから人生がガラッと変わりましたね。そこをきっかけにお芝居のお仕事が増えたのももちろんなんですけど、やっぱり今まで全然関わってこなかった音楽の楽しさを教えていただけたことがすごく大きくて。飽き性な私が、人生の中でお芝居の次に長く続けられているのがバンド活動なんです。そもそもバンドを組むなんて思ってもいませんでしたし、音楽をメインで活動してきた皆様方とこんなど素人が一緒にバンド活動をさせていただけることもなかなかないと思うので、それこそバンドドリーム=『バンドリ!』ですよね(笑)。私自身、この7年間は夢みたいな日々を過ごさせていただいております。

ーー先ほどRaychellさんからMorfonicaやMyGO!!!!!、Ave Mujica、夢限大みゅーたいぷの名前が上がりましたが、気付いたら後輩たちもたくさん増えましたよね。
Raychell:バンドの立ち位置で言ったら、私たちはモニカさんよりもデビューは早かったんですけれども、『ガルパ』(スマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』)のストーリーの中では私たちはまだ下のほうなので、関係性的にはちょっと難しい立ち位置なんですよ。でも、十人十色じゃないですけど、本当にそれぞれ個性が強いですよね。私たちが「第3のリアルバンドとして、今日からRAISE A SUILENとして活動していきます」と宣言した赤坂のライブ(2018年7月17日開催の『THE THIRD(仮)2nd Live』)で、そこから吏佐が加入したんですけど、その次のライブが年末の両国国技館2DAYS。私たちが初日(2018年12月7日開催の『BanG Dream! 6th☆LIVE Day1:RAISE A SUILEN Brave New World』)で、次の日がポピパさんのライブだったんですよ。その頃の私たちは知名度的にもまだまだで、人を集めるのもすごく大変だったんですけど、一方でポピパさんは満員。なので、当日は「自分たちのことを知らない人にも、今日は全員に知ってもらってから帰ってもらおう」とそのときの私たちにできることを全力で、私たちらしく見せていこうと必死でした。
紡木:ちぇるさん(Raychell)、当時よく言ってくださってましたよね。

ーーそう考えると、RASって成り立ちや立ち位置が特殊ですよね。
夏芽:メンバーの年齢も個性もまったく異なりますし。たぶん同じクラスにいても、話しかけてないんじゃないかな(笑)。
紡木:そうですかね(笑)!?
Raychell:初めて5人が集まったときは強烈だったよね。「こ、この5人か……」っていう(笑)。
夏芽:すごかったよね(笑)。
紡木:みんな個性がバラバラで。バンドの方向性的に、お2人(Raychell、夏芽)はカッコイイ系、そこに小動物のような玲鳳ちゃん、そして当時ふわふわファッションのおりこ(小原莉子)だったので、「どんな方向性のバンドになるのぉ!?」と期待と不安でいっぱいで。帰り道、ママに電話しちゃいました(笑)。
Raychell・夏芽:(笑)。
Raychell:それくらい、最初のインパクトは強かったから。
紡木:でも今でもこうして活動が続けられていて、幸せです!
夏芽:そう考えると、よくここまでまとまったなって思うよね。

ーーそういう歴史を7年近くにわたり積み重ね、気付けばSingleも今作で13枚目になります。
Raychell:「R·I·O·T」ばかりやらせていただいていた頃が懐かしいですね。それこそ最初の武道館のとき(2019年2月22日開催の『BanG Dream! 7th☆LIVE Day2「Genesis」』)って、オリジナル楽曲が「R·I·O·T」「UNSTOPPABLE」「EXPOSE ‘Burn out!!!’」「A DECLARATION OF ×××」「Takin' my Heart」の5曲しかなかったんですよ。そこに、ハロハピさんとかパスパレさんとかほかのバンドのボーカルさんがゲストで来られて、そのバンドの曲も演奏して。
紡木:「EXPOSE ‘Burn out!!!’」とか「A DECLARATION OF ×××」を2回も演奏しましたしね。
Raychell:やってたね。そういう意味でも、今振り返るとあの頃はいい経験でした。
夏芽:あの経験はほかの何にも変え難いしね。