『御上先生』堀田真由＆高橋恭平の起用理由を飯田Pが明かす　第3話以降の見どころも

　1月26日放送の『御上先生』（TBS系）第2話では、第1話冒頭で描かれた国家公務員総合職の試験会場で起きた刺殺事件の犯人が判明。犯人の真山弓弦を演じるのは堀田真由で、高橋恭平（なにわ男子）がサプライズで登場するなど、今後に期待を抱かせる展開となった。

　今作を手がける飯田和孝プロデューサーは、堀田の起用理由についてこう語る。「『アンチヒーロー』（TBS系）でご一緒したときに、透明感というか、心の中が透けて見える感覚があって、それが真山弓弦という人物を演じる上でも大事だと思いました。弓弦が背負う壮絶な境遇はこれから明かされていくんですが、そのことが“演技”ではなく自然に見える方を考えていました。弓弦の役は当初の企画では男性を想定していました。ドラマでは、弓弦は男性か女性かわからないような言い方をしています。また、犯人が男性だとわりと典型的かなと。『アンチヒーロー』でご一緒して、この役をぜひ堀田さんに演じてもらいたいと思い、男性から女性に切り替えました。堀田さんは前作でも心臓の音が聞こえるぐらい、心を動かしてお芝居をされる方ですね」と称賛した。

　ハードな役柄だが、実際に「今度も大変ですが」と前置きしてオファーしたそう。「『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私』（日本テレビ系）とは真逆の役ですし、『アンチヒーロー』とは遠からず近からずという役だと思うんですけど、ちょっと偉そうな言い方になってしまいますが、堀田さんが今この役を演じることは俳優として意味があるんじゃないでしょうかと想いを伝えました。映る時間は長くないですけど、真山弓弦というキャラクターは、おそらく生徒の誰よりもストーリーがある役なんです。それを限られた尺の中で表現する難しさもありますがお願いしますと」と、オファー時のことを語った。

　難役に取り組んだ堀田について「クランクインした時は、すごく難しいという言い方をされていました。殺害シーンから入っているんですけど、第1話冒頭のシーンの全容が第3話で描かれます。その時の表情や、なぜそこまで感情がかき立てられたか、そこにたどり着くまでの心の動きや作り方を、ご本人はすごく難しいけど頑張りますとおっしゃっていました」。その結果が第2話の御上（松坂桃李）との面会シーンとなった。

　高橋について、飯田プロデューサーは「すごく真面目な青年だと感じました。所属するSTARTO ENTERTAINMENTの俳優の方とお仕事をする機会は助監督時代からあって、皆さんに共通して言えるのは、演技に対してすごく真摯に向き合っていることです。高橋くんもそうだし、真弓（孟之）君にもすごく感じたので、とても好青年だなというのが第一印象です。シンプルに役に合うというところです」と起用の背景を明かした。生徒役の注目ポイントとしては「『喋ってない生徒であっても、しっかりと意味のある表情を撮っています。全てが、後々繋がっていくので、その辺を丁寧に観ていただきたいです」と今後の展開に含みを持たせた。

　御上のクラスの副担任で、国語教師の是枝文香を演じるのは吉岡里帆。飯田プロデューサーは「今作は生徒の成長もありますし、是枝先生の成長物語でもある」と語る。「吉岡さんは、御上の言葉を聞いて、生徒の成長に感動することが自分の役割とおっしゃっていたんですけど、一つには、今生徒がどういう状況にあるかを、是枝先生を通して視聴者に伝えることです。プラスアルファで、29歳の大人が変わっていくさまを見せます。第2話で是枝自身が全然できていなかった、向き合えていなかったことに気づいて、そこからどう変化していくか。生徒たちの変化に対して、自分の嫉妬や悔しさだったり、変な大人のプライドを脱ぎ捨てて変わっていく、そういう大人の姿を日曜劇場の視聴者に届けたいと思っています」と意図を説明した。

 　吉岡とは撮影現場で意見交換も。「どういうふうに変化していくかは、お話ししながらやっています。ドラマで描かれるあのポジションの女性教師は、わりとミスしがちでドジな先生が奔走して、というのが典型だと感じていました。それよりも、生徒たちもレベルが高かったら、彼らから信頼される教師も凛としていなければいけない。だけど、その中で、自分が思う良い教師像が御上先生によって崩されていく。その最初の是枝先生のあり方は、すり合わせをした部分ですね。もう少し強さがあっていいし、それは強がりでいいと思うんですけど、自分は強い、自信があると思っていた部分が、御上先生の登場で『強がっていただけなんだ』『背伸びしていたんだ』とわかってくるので、第1話で是枝がどんな人物かというのは、すごく現場で話した記憶があります」と振り返った。