北川景子が新たな姿を披露? 『あなたを奪ったその日から』は“間違いない”作品に

北川景子主演『あな奪』は“間違いない”?

 なぜだろう。愛と憎しみはとても似ているーー。

 北川景子主演ドラマ『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)が、4月21日より放送スタートする。本作は、サスペンスフルなストーリーのなかで生まれる親子愛を描いた物語で、北川が演じるのは食品事故で幼い娘を失った母親・中越紘海。この紘海というキャラクターは、紹介文を読むだけでもかなりの難役だというのが分かる。もともとは、ごく普通の母親だったのに、最愛の娘を失ってから人生が一変。憎しみのあまり、事故を起こした惣菜店の・結城旭(大森南朋)の娘を誘拐してしまうらしい。

 また、予告映像を見るかぎりでは、旭も相当な曲者だ。死亡事故を発生させておいて、謝罪会見で「子どもが何を口にするかは、大人の手に委ねられます。大人の責任です」と言ってのけるなんて……。「あの男に同じ思いを味わわせたい。それは、あの男のいちばん大切なものを奪うこと」と言い出す紘海には、「違う復讐の仕方があるのではないか?」とストップをかけたくなるが、憎しみを買う発言をした旭も旭だ(何らかの事情があったのかもしれないが)。

 そして紘海は、復讐のために誘拐した女の子に、本当の親子のような愛情を抱くことになるらしい。かなり歪なストーリーではあるものの、人間の核に迫っていく作品になるのは間違いないだろう。

 役者という仕事は、あらゆる経験が芸の肥やしになる……なんて言葉をよく耳にすることがあるが、石原さとみ主演映画『ミッシング』(2022年)を観たとき、「なるほど、こういうことか」と深く納得した。同作で石原が演じたのは、失踪した娘を懸命に探し続けるが、夫婦間の温度差や、マスコミの報道、SNSでの誹謗中傷により、いつしか心を失くしていく母親・沙織里。産後復帰作にこの作品を選んだというのは驚きだったが、彼女のリアルすぎる演技に心を奪われたのを覚えている。

 北川にとっても、『あなたを奪ったその日から』は第二子出産後初の連ドラ主演作だ。この世界に、大切な“あなた”が新たに増えてから挑むことになる本作。予告映像には、質素な部屋で食パンを無心で頬張ったり、髪を掻き乱して「ごめんなさい。守ってあげられなくて」と泣きじゃくったり。今までには見たことがないような北川景子の表情が詰まっていた。すべてを捧げてでも守りたいと思う宝物ができた今だからこそ、奪う側の気持ちも、奪われる側の気持ちも、リアリティを持って演じることができるのかもしれない。

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