『君がトクベツ』大橋和也の“アイドル力”が神がかり タイトル回収も見事な王道ラブコメ

『君がトクベツ』大橋和也の“アイドル力”

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。今週は、アイドル雑誌の付録ポスターを捨てられないタイプの徳田が、『君がトクベツ』をプッシュします。

『君がトクベツ』

 本作のあらすじを一言で説明するなら、「スーパーアイドルと恋に落ちるなんて、そんなことある!?」という少女マンガの王道展開。だけど、その“王道”をここまで本気で突き詰めた作品には実はなかなか出会えない。

 物語の主人公は、黒髪メガネの陰キャ女子・若梅さほ子(畑芽育)。過去のトラウマからイケメンが大嫌いになり、毎日イケメンを呪う日々を送る彼女がひょんなことから日本中が熱狂するトップアイドル・桐ヶ谷皇太(大橋和也)と出会い、ありえないようでいてどこかリアルな恋が始まる。

 畑芽育については近日インタビューを公開する予定なので、今回は大橋和也の存在感に注目したい。普段からなにわ男子としてアイドルの第一線を走り続ける彼が持つプロフェッショナリズムが、皇太というキャラクターにそのまま重なる。共演した畑が言うには「アイドルとしての自分(大橋)と皇太には似ている部分が多い」のだとか(筆者インタビューより)。ステージ上での振る舞いと変わらない態度でさほ子と接する姿には、ある意味恐ろしさすら感じる。ファンの理想を背負いながらも、どこか孤独を抱えた人物像が、大橋自身の底知れなさと重なり胸に響く。王道ラブストーリーでありながら、アイドルという存在が持つ矛盾や儚さを丁寧に描いていて、単なる恋愛ドラマにとどまらない深みがある。

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