『キャスター』ポスト・トゥルース時代の日曜劇場が開幕 阿部寛が追う偽悪の先の“真実”

白が黒にひっくり返るオセロのように、次々と移り変わる局面。偽りの仮面がはがれ、善人が悪人に、悪人が善人に豹変する。誰もが嘘つきで、真実なんてどこにもないと伝えるかのように。だが、本当にそうなのか。
魅力的な言葉が多くあり、刺さりすぎて痛いくらいだ。「スクープのないニュース番組はニュース番組ではない」「報道ってそんなに偉いですか」「わが子の命が特権階級の犠牲になったと思いこませた先に何がある?」「我々報道は真実の奴隷じゃない」等々。
どこかにわかりやすい真実が存在するというのは単なる思い込みで、物事には両面があり、どう解釈するかで見え方は180度変わる。外が晴れていると言う人と、雨が降っていると言う人がいるように。両論併記ではなく、事実にもとづいて何を見極めるかが重要だ。
第1話の時点で今作のテーマをつかんだと考えるのは早計だろう。本作のベースにテレビ報道に対するメタ視点があることは明らかである。ある意味、このドラマも疑ってかかる必要があるし、その上で見定めるように視聴者に委ねている。少なくとも、ポスト・トゥルースの2025年において、『キャスター』は観るべき一作であるに違いない。
テレビ局の報道番組を舞台に闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく社会派エンターテインメント。圧倒的な存在感で周囲を巻き込んでいく型破りで破天荒な主人公・進藤壮一が、視聴率低迷にあえぐ報道番組『ニュースゲート』を変えていく。
■放送情報
日曜劇場『キャスター』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:阿部寛、永野芽郁、道枝駿佑、月城かなと、木村達成、キム・ムジュン、佐々木舞香、ヒコロヒー、山口馬木也、黒沢あすか、堀越麗禾、馬場律樹、北大路欣也(特別出演)、谷田歩、内村遥、加藤晴彦、加治将樹、玉置玲央、菊池亜希子、宮澤エマ、岡部たかし、音尾琢真、高橋英樹
脚本:槌谷健、及川真実、李正美、谷碧仁、守口悠介、北浦勝大
音楽:木村秀彬
プロデュース:伊與田英徳、関川友理、佐久間晃嗣
演出:加藤亜季子、金井紘
©TBS
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