『リロ&スティッチ』北米でトム・クルーズに勝利 『トップガン マーヴェリック』の記録更新

『リロ&スティッチ』がトム・クルーズに勝利

 実写版『リロ&スティッチ』とトム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が5月23日に北米で公開され、いずれも予想以上のスマッシュヒットを記録している。

 ディズニーによる人気アニメーションの実写版『リロ&スティッチ』は週末3日間で1億4500万ドルを記録し、北米興収ランキングのNo.1に輝いた。祝日であるメモリアル・デーの26日(月曜日)を含む4日間では1億8300万ドル。当初の予想を大幅に上回り、『トップガン マーヴェリック』(2022年)を抜いてメモリアル・デー史上最高のオープニング興行収入となった。

 かたや、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は3日間で6300万ドル、4日間で7700万ドルと、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018年)の6120万ドル(3日間)を超えてシリーズ最高の初動成績を達成した。

 実は『リロ&スティッチ』とトム・クルーズの対決は23年ぶり。2002年、オリジナルのアニメーション版『リロ&スティッチ』が公開された6月21日には、クルーズ主演『マイノリティ・リポート』も公開され、このときはクルーズがわずかに上回って週末ランキングの1位を獲得していたのだ。

『リロ&スティッチ』©2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 ディズニーは実写版『白雪姫』で辛酸をなめたが、『リロ&スティッチ』はディズニーによる実写リメイク作品として『ライオン・キング』(2019年)と『美女と野獣』(2017年)に次ぐ歴代3位の滑り出し。ファミリー層だけでなく、アニメ版シリーズに親しんだミレニアル世代とZ世代の注目を集めたことが大きな追い風となった。

 観客を年代別に見ると、35歳未満が約8割という圧倒的多数。とりわけ25歳~34歳が全体の33%を占めた。男女比は女性客が6割で、人種・民族的にはラティーノ・ラティーナが全体のおよそ3分の1。なお、ラテンアメリカ全域でディズニーの実写化作品として史上最高のオープニングとなっている。

 Rotten Tomatoesでは批評家スコア69%に対し、観客スコアは94%と高い支持率。映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでも「A」を獲得した。別の出口調査では、観客の61%が早くも続編を希望しているとのこと。口コミ効果により、今後も興行収入をしばらく伸ばしていくことになりそうだ。

『リロ&スティッチ』©2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 なお、ディズニーは『モアナと伝説の海2』(2024年)と同様、『リロ&スティッチ』も当初はディズニープラスのオリジナル作品として配信リリースする予定だった。それゆえ製作費は1億ドルと控えめだが、すでに本作は海外興収1億5870万ドル、世界興収3億4170万ドルという圧倒的な成績を達成。コスト回収はほとんど完了している状態だ。

 実写版『リロ&スティッチ』の日本公開は6月6日。スティッチといえば日本での人気が絶大なキャラクターとあって、日本市場での健闘にも期待がかかる。

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